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標準偏差とエラーバー

 

「より正しい結果」を得るために・「その結果が正しいか」を確かめるために行うこと

 研究の中で行う実験では、「より正しい結果」を得るために同じ条件の試験管を複数用意して実験を行うと共に、「その結果が正しいか」を確かめるために同じ実験を複数回行います

 生物化学実験Aでは、「より正しい結果」を得るために複数の班に同じ実験を行ってもらい(=同じ条件の試験管を複数用意して実験を行う)、第6回には「その結果が正しいか」を確かめるために同じ実験を2回行ってもらいました。

 

平均

 平均(平たいらに均ならす)とは、凸凹した形状を水平にするイメージです。凸凹した砂山では、場所によって地面からの高さが異なりますが、平均することによって地面からの高さが、どこでも同じ(平に均された)になります。

 

標準偏差とエラーバー

 実験では、

ピペットマンで液体を量り取る時の「設定目盛りのズレ」

ピペットマンの「劣化」(車のタイヤや靴底が磨り減る等の「避けられない劣化」)

・メスピペットで液体を量り取る時の「読み取り値のズレ」

等によって、少なからず「違い」が生じます。

 この「違い」は、結果のバラツキ(砂山の凸凹)となって現れますが、平均した結果だけが示されると結果のバラツキが見えなくなってしまいます。この「結果のバラツキ」を可視化できるものが「標準偏差とエラーバー」です。

標準偏差(Standard Deviation)

 平均値を算出する時に用いた数値を全て使うことで、算出することができます(Excelの「数式」→「関数の挿入」→「関数名:STDEV」)。

この図の「σ」が標準偏差になり、平均値から前後 σ(± σ)の範囲にデータの約68.3%が存在することになります。
エラーバー

 グラフには通常「平均値」をプロットしますが、結果のバラツキを示すために「データの約68.3%が存在する範囲( ± σ = 標準偏差)」をエラーバーとして示します。

Excelにはグラフにエラーバーを付ける機能が標準で用意されていますが、「エラーバーの長さ= σ = 標準偏差」です。グラフにエラーバーを付けた後、正しく操作を行えたかどうかを確認するために、

・平均値のから+側と−側に伸びているエラーバーの長さが等しい

・エラーバーの長さが標準偏差の大きさと対応している(他の平均値から伸びているエラーバーの長さとの関係が標準偏差の大きさと対応している)

かどうかを確認しましょう。

 補足になりますが、± 3σ(データの約99.7%が存在する範囲)を超えた数値については、「何か大きなミス(数値の入力ミス、動物実験であれば異常な固体、等)があった可能性を考えて「外れ値」として結果の解釈から外します。